内藤哲也選手のケガはどんなケガ?

選手の身体機能

はじめに


出典:njpw.co.jp

2021年9月18日の新日本プロレス、G1 climax31にてザックセイバーjr選手と試合をした際に、試合中に膝を負傷し最後はザック選手のサブミッションでタップ負けをしました。


出典:njpw.co.jp

後日、公式HPより左膝内側側副靱帯損傷・半月板損傷の診断が出たことを発表。
リーグ戦の残りの試合は欠場となりました。

今年は4年振りの優勝を期待されていただけに残念ですが、今は治療に専念してまた帰ってくることを祈っています。

ところで、今回診断された、左膝内側側副靱帯損傷・半月板損傷とはどんなケガなのでしょうか?

また、試合中に幾度と膝を責められましたが、どのタイミングで損傷したのでしょうか?

試合を振り返りながら考察したいと思います。

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内側側副靱帯・半月板って何?


引用:アトラス

内側側副靱帯とは、膝関節の内側にある靭帯で、大腿骨と脛骨を繋ぎ合わせる靭帯です。
特徴としては膝関節にある他の靭帯よりも平たく幅のある靭帯であり、膝関節が安定するには欠かせない靭帯です。

特に、外反(膝が内に入る姿勢)、外旋(つま先を外に向ける)方向に行きすぎないようにストップをかけてくれる靭帯です。

こんな動きを止めてくれる靭帯です⬇︎

次に半月板についてです。


引用:アトラス

半月板は大腿骨と脛骨の間にある、いわゆるクッションのような組織です。
内側と外側にそれぞれ存在しており、内側はC字状、外側はO字状になっています。

主な役割としては、

・大腿骨と脛骨が擦れるのを防ぐ
・膝関節を安定させ、荷重負荷を分散
・膝関節の動きをスムーズにする

ことが挙げられます。

今回、公式から発表があったのは【左膝内側側副靱帯・半月板損傷】なので半月板は内側なのか外側なのかは不明です。
どちらにしても膝関節が動いちゃいけない方向に動いてしまったのは間違いないですね。

この2ヶ所を負傷すると、

・膝関節の安定性が悪くなる
・膝関節の動きがスムーズじゃなくなる

その結果、膝崩れ(giving way)と言って膝が急に“抜ける”感じになります。
また、関節が安定せず力が上手く入らないため、ロッキングと言って膝を完全に伸ばしたまま曲げ伸ばししないような代償動作も出るのが特徴です。

どのタイミングで負傷したの?

ここからはいつ、どのタイミングで膝を負傷したのか考えます。

ちなみに、あくまで試合を見た中で一個人の考察、感想であり、実際の選手の状態を断定している訳ではありませんのでご承知下さい。
「そんなことも考えられるんだ」という視点で見て頂けると幸いです。

試合中はザック選手に古傷のある膝を攻められるシーンが多く見られました。

とは言え、なんだかんだで試合中の動きにそこまで大きく影響はない印象でした。

問題のシーンは試合終盤、ザック選手がザックドライバーで持ち上げた際に内藤選手はデスティーノで切り替えした時です。




引用:NJPW world

本来、最終的にダメージを与える際はリバースDDTのような態勢になりますが、ザック選手を叩きつけるタイミングで内藤選手は左足をマットに着けたままでした。

そのままザック選手は、内藤選手の膝下から足の上にかけて落ちてしまうんですね。








引用:NJPW world

おそらくこのタイミングで内側側副靱帯・半月板損傷になったと考えられます。

そもそも内側側副靱帯、半月板を損傷しやすい姿勢やシチュエーションがあります。

【つま先が外を向いて、膝が内側に入り外力が加わる】ことで損傷しやすいと言われています。
この姿勢は専門的にはknee in toe outと呼ばれます。

内側側副靱帯は膝の内側に付着する靭帯なので、簡単に言うと膝が内側に入りすぎるのを止めてくれる靭帯なのです。

あのシーンを細かく見てみるとカメラの位置的に膝の向きまではザック選手に隠れて見えませんが、つま先は外を向いている状態でザック選手が脛の上に乗っているのが分かります。
そうすると相対的に膝関節には外反・脛の外旋方向への強制ストレスがかかります。
要は内側側副靭帯を引き伸ばすストレスが強くかかるということです。

サッカーやラグビー、バスケなど人とぶつかるスポーツで多いのですが、片脚ジャンプの着地を失敗したり、倒れそうになるのを片脚で踏ん張ったりして負傷するパターンもよくあります。

今回の内藤選手の場合は特殊で、持ち上げた相手が足の上に落ちてきたのです。
普通ないですよね、こんなこと。
全てのスポーツにおいても、こんなシチュエーションで損傷するのはプロレスだけだと思います。

不幸中の幸い

今回ケガをしてしまったことは残念ですが、その中でも専門的に考察してみるとまだ運が良かったなと思う点もあります。

まず、内側側副靱帯・半月板を損傷すると、同時に前十字靭帯も損傷するパターンも多く、この3つの部位を損傷することを【不幸の三徴候(unhappy triad)】と呼びます。

この状態になると回復に時間がかかるし、手術をしないといけない場合も多く見られます。

今回の発表では①前十字靭帯は大丈夫②手術はしない?と思われるので良かったと思います。

負傷したシーンを見ると、つま先が外を向き内股姿勢になり、内藤選手の脛から足にかけて上に落ちてきました。


引用:NJPW world

この時、内藤選手は体を丸め、股関節も曲げています。

股関節を曲げられたことによって膝だけが内に入ることなく、股関節でも捻る動きを作れたことで、膝に過度なストレスがかからず済んだと考えられます。

これがもう少し膝、股関節を伸ばした状態で内股姿勢になっていたら前十字靭帯も損傷していた可能性もあります。

100kg近い人が足に乗っかる訳ですから、靭帯が切れてもおかしくなかったと思います。

最後に

元々内藤選手は膝が悪く、万全ではなかったと思います。
試合の中でもザック選手に膝をたくさん攻められましたし、ボロボロだったと思います。

しかし、理学療法士の視点で見てみると、あの受傷の仕方は、もはや誰でもケガになると思っています。

もちろん内藤選手の膝が悪かったのは確かかもしれませんが、他の選手が同じシチュエーションになっても損傷する可能性は十分あります。

なのでザック選手の膝攻めによる負傷という訳ではないんじゃないかな、と個人的には考えています。

どちらにしても負傷したことはファンとしては残念ですし、本人も無念だと思います。

しかし、手術はせず前十字靭帯は損傷していないという事を考えれば、しっかり調整すれば来年の1.4東京ドーム大会には間に合うかもしれないので、逆転の内藤哲也に期待しましょう!

あくまで一個人の意見として見て頂けたら幸いです(^^)

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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