どんな技?
引用:Wikipedia
アンクルホールドは、新日本プロレスでは田口選手、NOAHでは杉浦選手、以前WWEではカートアングル選手がフィニッシュ技として使っていた技です。懐かしい選手では金本選手も使ってましたね。
総合格闘技やブラジリアン柔術でも使われる技で、いわゆる内向き、外向きと捻る方向が異なったりするそうです。
ちなみに日本で初めて使用したのは、1989年にヨーロッパ修行から帰国した船木誠勝選手と言われており、ドイツのミレ・ツルノから習得したそうです。(Wikipediaより)
アンクルホールドと言うだけあってアンクル=足首を狙う技です。
相手の足先を捻り上げて足首をキメる技ですが、やられるとホントに痛いの?そんなに効くの?
そのような疑問について体の専門家の視点で考えていきたいと思います。
どこに効くの?
引用:njpw.co.jp
足首を捻り上げる技なので足首が痛いのは見ててわかると思います。
結論を言うと、【前距腓靱帯の伸長ストレスによる疼痛】によってダメージが与えられる技だと考えます。
では、アンクルホールドはなぜ前距腓靱帯にストレスがかかるのでしょうか?
何で効くの?
まずは解剖学の勉強です。
足首の靱帯はたくさんあり、大きく分けて内側の靱帯、外側の靭帯に分かれます。
引用:https://www.kotsujiko-niigata.com/column/4766/
これらの靭帯は足首の骨と骨がズレないように固定してくれており、適度な固定により足首が自由かつ安全に動くことができるのです。
そこでアンクルホールドの話です。
オーソドックスなアンクルホールドでは相手の足を内側に捻ることが多いです。
そうすることで足首には内反という動きが加わります。
まさに足を捻挫する時の動きと一緒ですね。
足を内に捻る時は、過度に動き過ぎないように外側の靱帯で制御しています。
特につま先を伸ばした状態で足を内に捻る動きに強く関係する靱帯が、前距腓靱帯です。
ちなみにこの前距腓靭帯は距骨と腓骨をつなぎ合わせる役割がある靭帯です。
引用:mcdavid.co.jp
引用:アトラス
アンクルホールドの足先を見てみるとわかりますが、つま先を伸ばしながら足を内に捻っているのがわかると思います。
本来はその方向へ行き過ぎるのを制御しているのが前距腓靱帯ですが、この技ではその靱帯を無理矢理伸ばしにいっているのです。
引用:週刊プロレスmobile
引用:mcdavid.co.jp
さらには靱帯を引き伸ばされると、引き裂かれるような靱帯損傷、ひどい場合は靱帯断裂も起きかねません。
実際に損傷が起きると、内出血が起きたり、捻られた外力で周囲の軟部組織が傷つくことで腫れたり痛みが出たりと、炎症反応が起きてしまいます。
ましてや強靭なパワーを持つレスラーに強く捻られたら、体の中で損傷も起きることは容易に想像がつきますね。
だから効く
説明した通り、アンクルホールドは足先を伸ばした状態で内に捻ることで前距腓靱帯に伸長ストレスがかかり、それに伴う周辺組織の損傷も相まって痛みが出ることが予想されます。
靱帯は1度完全に切れるともう引っ付いて戻りません。
伸びてしまった場合も縮まないと言われています。
特に女性の場合は関節が柔らかいことが多いので、足首が緩い人にはアンクルホールドが効かない可能性があります。(あくまで”可能性”です)
逆に足首周りが硬い選手には、足首の靱帯を引き伸ばすことができるいい技です。
素人がやるならまだしも、力の強いレスラーがやることを想像すると、とても怖いですね。
力の強いレスラーだからこそ使いこなせる技とも言えると思います。
最後に
見た目はあまり派手ではない技ですが、ちゃんとやればかなりダメージを与えられる技です。
特に足首は体重を支える役割と、走る・飛ぶ・しゃがむなど色々な動きの基礎になる場所です。
体重の多いレスラーにとっては柱の土台になるような箇所ですね。
今回はそんな部位を壊しにかかる技、アンクルホールドの解説、考察をしてみました。
プロレス好きな皆さんのお役に立てれば幸いです。
今回は以上で終わります!
ありがとうございました(^^)
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