足4の字固めってどこが痛いの?

プロレス技

どんな技?

片方の脚を伸ばして、反対の膝を曲げ、文字通り脚を【4の字】にします。
主に武藤敬司選手や元WWEのリックフレアー選手が得意技にしていましたね。

膝が痛そうなのはなんとなくわかりますが、曲げられてる膝が痛いのか、伸ばされてる膝が痛いのか、よくわからないですよね?

今回はそんな【足4の字固め】について医学的知見を元に解説していきます。

スポンサーリンク

どこが痛いの?

この技を食らうと、皆さん膝を痛がりますよね。
どちらの膝にダメージがあるかわかりますか?
曲がっている側?伸びている側?
さらに、膝の表側でしょうか?
それとも裏?はたまた横側でしょうか?

結論を言うと、
伸ばされている側の膝(主に前十字靭帯)にダメージを与える技です。

では、なぜ膝に痛みが出るのでしょうか?

なんで痛いの?

まずは簡単に解剖学、運動学の勉強です。

膝関節は基本的に「曲がる」「伸びる」しかできない関節です。※詳細に言うと内・外旋もしますがここでは触れません

膝は構造上、曲がる方向に約130°、伸びる方向へ0°という角度まで動きます。


引用:日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会

女性の方が関節が緩いため伸びる方向へはもう少し動くことが多いです。
これを【過伸展】と言います。

基本的に、膝関節が本来動く範囲をオーバーしないように制御している組織で、大きく影響しているのが【靭帯】です。

太ももの大腿骨とスネの脛骨がズレないように制御しており、それらは前十字靭帯、後十字靭帯、内・外側側副靭帯と呼ばれています。

中でも前十字靭帯はスネの骨が過度に【前方に】ズレないよう制御しています。

この前十字靭帯が伸びる、または切れてしまうとスネの骨(脛骨)が前にズレてしまいます。

前方に脛骨がズレる動きが強制される
→前十字靭帯へのストレスが増す
→膝の前側の圧も強まる
→疼痛発生

という流れです。

次に、足4の字固めの際に膝関節がどう動いているか解説します。

だから効く

足4の字固めで先程説明した部位に痛みが出るのですが、なぜ足4の字でそのような痛みが出るのでしょうか?


引用:njpw

それは、伸ばされている側の膝は【テコの原理】過伸展方向に強制的に伸ばされているからです。

それにより、上記で説明したように主に前十字靭帯にストレスを与えることができます。
さらに、前十字靭帯を損傷すると大腿骨に対して脛骨がわずかに前方向にズレてしまうため、膝に力が入りにくくなってしまいます。

さらにさらに、
正常範囲よりも過度に膝が伸ばされてしまうと、膝裏にある、本来膝を曲げる筋肉であるハムストリングスや腓腹筋の付着部位にもストレスがかかることが予想されます。

ようは、この技は膝関節をズラすことで靭帯を伸ばし、力を入りにくくし、さらに膝裏の筋肉にもダメージを与えることができる技なんですね。

1分も食らえば、すぐにはまともには歩けないと思います。

最後に

体の専門家である理学療法士の視点で医学的知見を元に考察してみました。

1つ言えることは、私たち素人よりもレスラーの方々は日頃からトレーニングを積んでいます。
だから、私たちが遊びでやるのと、レスラーがやるのとでは明らかにダメージが違います。
もちろんやる側もやられる側も。

技を実際に試す場合は、ケガをしない程度に優しくやって下さい笑

少しでも技を受ける選手のダメージを想像し、プロレスの新しい楽しみ方を感じて頂けたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

コメント

タイトルとURLをコピーしました