スカルエンドってどこに効くの?

プロレス技

どんな技?


出典:njpw.co.jp

新日本プロレスのSANADA選手がフィニッシュ技として使うサブミッション技で、形は藤波辰巳選手が使うドラゴンスリーパーに似ています。



出典:DRADiTION

ちなみに、SANADA選手は全日本プロレス所属時代の2013年に藤波選手とタッグを組んだことをきっかけにドラゴンスリーパーなど【ドラゴン殺法】を伝授されています。

スタンディングや、相手を座らせた状態、グラウンドで行うなど様々な入り方をするのが特徴ですが、決め技として行う時はグラウンドで行うことがほとんどです。

また、藤波選手が行うドラゴンスリーパーは相手が座った状態、または膝立ちになった状態で締め上げることが多いです。

そんなSANADA選手のスカルエンドについて考察していきたいと思います。

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どこに効くの?

スカルエンドですが、どこに効くのでしょうか?
また、相手にはどんなダメージがあるのでしょうか?

結論を申し上げると、
【頚椎強制伸展による呼吸苦、頸動脈圧迫に伴う脳血流量低下による失神】が主なダメージだと考えられます。

また、締め方によっては【こめかみ】辺りを締め上げるパターンも見られます。

上記の考察について解説したいと思います。

なんで効くの?

まずは解剖学の勉強です。


出典:筋・骨格系のキネシオロジー

頚椎は7つあり、主に曲げ伸ばし(屈曲、伸展)、横に倒す(側屈)、横を向く(回旋)などの動きを行います。

それぞれの可動範囲は決められており、基本的にはその範囲を超えると靭帯が切れたり、骨が折れたり、関節が炎症を起こしたりします。

また、頚椎を過度に伸展させると首の前側にある筋肉は引き伸ばされます。
そうすることで呼吸に必要な胸郭の動きが阻害されやすくなります。
ぜひ座った姿勢のまま天井を見上げてみて下さい。
さらにそのまま深呼吸をしてみて下さい。
普通にしているよりも呼吸がしにくいのがわかると思います。

これを自発的にではなく、他人に頭を押さえつけられてみて下さい。もっと呼吸がしにくいのがわかると思います。

これが【頚椎の強制伸展による呼吸苦】を引き起こしていると考えられます。

さらにもう1つの考察である、【頸動脈圧迫に伴う脳血流量の低下による失神】についてです。

だから効く

頸動脈とは心臓の大動脈から脳へ向かう動脈の一部で、一般的に言われる頸動脈は正式には【総頸動脈】と呼ばれます。

総頸動脈は、首の左右を通って様々な分岐を経て脳へ血液を送る、言わば脳へ栄養を届ける大事なトンネルです。
心臓の血液を脳に送るために必要不可欠な血管が総頸動脈というわけです。

そんな総頸動脈を圧迫し脳への血流を一時的に止めることで失神が起きます。
ちなみに失神についてですが、
「一過性の意識消失の結果、姿勢が保持できなくなり、かつ自然に、また完全に意識の回復が見られること」
と定義されています。(日本循環器学会)

また、
【脳循環が6〜8秒間中断されれば完全な意識消失に至る】
Sheldon R, Killam S. Methodology of isoproterenol-tilt table testing in patients with syncope. J Am Coll Cardiol 1992; 19: 773-779.

と報告されており、一時的に脳へ血流が行かなくなることで意識が朦朧とした後に意識消失し、次第に復活するというのが特徴的な状態です。

ここでスカルエンドに戻ります。

写真のように腕を首に巻きつけることで頸動脈を圧迫できるのと、先程説明した頚椎伸展による呼吸苦とダブルでダメージを与えることができる技です。

普通のスリーパーホールドだと頸動脈は締められますが、頚椎を強制的に伸展できないため呼吸のしにくさはスカルエンドの方がキツいと考えられます。


出典:東京スポーツ

たまに腕のフックが抜けてこめかみ辺りを締め上げる状態になることもありますが、こめかみ周辺はすぐ下が骨なのでシンプルに痛いです。
太い腕でこめかみ辺りを思い切り締め上げられるだけでもそりゃあ痛いですよ。。笑

最後に

腕が顎下に入っているパターンと、こめかみ辺りを締め上げるパターンとどちらもダメージがありますが、前者は失神や呼吸苦、後者は痛みの部分に効果がある極めて厳しい技です。

SANADA選手のような分厚い腕周りだからこそできる技でもあると思います。

今後もSANADA選手の数々の試合で見るかと思いますので、やられている選手の気持ちや体のダメージも想像して応援しましょう!

以上で終わります!
最後まで読んで頂きありがとうございました(^^)

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